【BTS THE RETURN】なぜテテは「アリラン」に反対したのか?名曲『Body to Body』誕生の裏側

BTS

皆さん、Netflixで配信中のドキュメンタリー『BTS: THE RETURN』はもうご覧になりましたか?完全体でのカムバックに向けた熱い制作の裏側が描かれる中、ファンの間で最も話題になり、心をざわつかせたのが……新曲『Body to Body』の「アリラン」サンプリングを巡る、あの緊迫した会議のシーンですよね。

XなどのSNSを見ていると、 「『あからさまな国パン(過剰な愛国心)マーケティングだと思われないか』というテテの意見は本当に真っ当!」 「メンバーの懸念があったのに、結局ロングバージョンを押し通したパンPDにはモヤモヤする……」 といった声が多く見受けられます。テテペンとしては、彼がBTSの音楽そのものと、それを聴くARMYの感覚を誰よりも大切に守ろうとしてくれたあの率直な言葉に、強く共感した方も多いはずです。

私自身も、最初は「テテの言う通りかも…」とハラハラしながら見ていました。しかし、この出来事は本当にただの「大人の事情による押し付け」だったのでしょうか?

今回は少し立ち止まって、あえて限りなくフラットな視点からあの論争を振り返ってみたいと思います。 リスナーを窮屈にさせないよう「楽曲の純度」を守り抜こうとしたテテのシビアな美学と、世界のスタジアムでの歴史的な大合唱を見据えていたパンPDのマクロなビジョン。

一見正反対に見える二つの視点が激しくぶつかり合ったからこそ到達できた、『Body to Body』という圧倒的な名曲の真髄について、じっくり考察していきます!

※この記事はNetflix配信中のドキュメンタリー「BTS:THE RETURN」のネタバレを含みます。これから視聴される方はご了承ください。

この記事を書いた人
mari_wo

まりお
2018年、ドラマ『シグナル』の主題歌「Don't Leave Me」に衝撃を受け、BTSの沼に落ちたテテペンです。コロナ禍と兵役期間が重なり、未だに「生バンタン」を拝めていないのが最大の悩み。だからこそ、今の目標は「死ぬまでにソウルコンの最前列に座ること」BTS関連のニュースやソウルコン参戦に向けた情報、さらに推し活を含めた韓国旅行についても発信中。ARMYの皆さんと、いつか現場でお会いできる日を夢見ています!

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アルバム『ARIRANG』における「Body to Body」の構成

パート 特徴 採用されたバージョン
イントロ 現代的なビートでスタート 共通
サビ 英語主体のキャッチーなフレーズ メンバーの意見を反映
ブリッジ 「アリラン」の独唱・合唱サンプル パンPDこだわりの「長い」Ver.
アウトロ 3人の畳み掛けるラップ メンバーの意見を反映
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テテ(V)の視点:ファンと音楽を守るための「真っ当な危惧」

ドキュメンタリーの中で、テテが会議中に放った「これ、韓国人の立場から見たら『あからさまな国パン(過剰な愛国心)マーケティングだ』って思われないかな?」という率直な言葉。SNSでも最も共感を集めていたこの発言ですが、これは決して単なる反発ではなく、彼がどれほど「リスナーのリアルな感覚」に寄り添い、客観的な視点を持っているかの証明でした。

BTSはすでに、世界中で愛されるグローバルアイコンです。だからこそ、「韓国の伝統(アリラン)」というあまりにも強烈で意味合いの重いメッセージを前面に押し出しすぎると、純粋に彼らの新しい音楽を楽しみたいファンにとって、それが「窮屈な押し付け」になってしまう危険性を、彼は本能的に察知していたのだと思います。テテは常に、音楽そのもののピュアな心地よさや、聴く人の心にどう響くかを第一に考える人ですよね。

また、彼の懸念は、ボーカリスト・パフォーマーとしての非常にシビアな感覚からも来ていたはずです。

声楽やボーカルパフォーマンスの観点から見ても、楽曲が本来持っている自然な「呼吸」や「グルーヴ」を途切れさせてまで、意味合いの強いサンプリングを長く挿入することは、歌い手と楽曲の感情の繋がりを分断してしまうリスクを伴います。 実際に彼は、「サンプリングの後、元の曲(ラップ)に戻ってこないのはバランスがおかしい」と鋭く指摘していました。これはまさに、『Body to Body』という楽曲の持つ勢いや、メンバー間で繋いできたボーカルのリレーが死んでしまうことへの、アーティストとしての強烈な危機感だったと言えます。

会社側が描く「壮大な物語やアイデンティティ」よりも、目の前のARMYがイヤホンで聴いた時にどう感じるか。そして、自分たちがステージの上で嘘偽りなく、100%の「体温」を乗せて歌い切れるか。

彼があの張り詰めた空気の中で、あえて厳しい意見を口にしたのは、他でもない「BTSの音楽の純度」と「ARMYとの純粋な繋がり」を守り抜くための、本当に真っ当で、愛のある危惧だったのです。


パン・シヒョク(パンPD)の視点:世界を見据えた「マクロなビジョン」

SNSでは「結局パンPDが自分の意見を押し通した」と批判的な声も上がりがちですが、彼の発言の真意を紐解くと、決して単なるエゴや大人の事情ではなかったことが分かります。

彼が見据えていたのは、テテが見ていた「イヤホン越しに聴く今のリスナー」よりもはるかに遠く、広い世界。つまり「歴史的なスタジアムの光景」でした。

会議の中で彼が熱弁した、「何万人もの観客が集まるスタジアムで、その半分以上が外国人であっても、全員が『アリラン』のメロディを大合唱する。その瞬間がいかにアイコニックか想像してみてほしい」という言葉。これこそが、彼がサンプリングの長さにこだわった最大の理由です。

BTSは今や、単なる人気グループの枠を超え、時代を象徴するアイコンとなりました。完全体として数年ぶりに世界へ帰還するこのタイミングで、あえて彼らのルーツである「韓国の伝統」を隠さずに堂々と、そして大々的に世界へ提示すること。パンPDは、「この巨大な宝物(アリランという武器と、それがもたらす熱狂)を、君たちは自ら捨てようとしている」と本気で焦り、危惧していたのです。

彼は決してメンバーの意見を無視したわけではありません。「最終的に決めるのは君たち7人だ」と前置きした上で、プロデューサーとして、そして共に歩んできた同志として、「この選択がどれほど大きな意味を持つか」を全力でプレゼンしたに過ぎません。

テテが「楽曲としての純度」を守ろうとしたのに対し、パンPDは「BTSにしか作れない歴史的瞬間」を創り出そうとしていた。視点のスケールが違っただけで、どちらも「BTSの価値を最大化したい」という強い想いが根底にあったのです。

妥協ではなく「昇華」:完成した『Body to Body』の圧倒的パワー

結果的にパンPDの「長いアリラン」のアイデアが採用されましたが、完成した『Body to Body』を聴いて、皆さんはどう感じましたか?

『Dynamite』や『Butter』のような、世界中をハッピーに包み込むポップ路線を経て、今回のアルバムはまるで『MAP OF THE SOUL』期を彷彿とさせる、ゴリゴリでハードコアなBTSの帰還を感じさせてくれました。その象徴とも言えるのが、このクラブライクで重厚なビートを持つ『Body to Body』です。

声楽やボーカルのメカニズムという少し専門的な視点から聴いても、あの完成した楽曲のバランスはまさに「奇跡」です。

テテがあれほど懸念していた「国パン的な取ってつけた感」は微塵もありませんでした。彼のベルベットのように深みのある低音ボーカルと、長く挿入されたトラディショナルなアリランの旋律。これらが全く反発し合うことなく、まるで太古からそこにあったかのように、メンバーの歌声と完全に「呼吸」として調和し、神聖なコーラスへと昇華されていました。

さらに、テテが指摘していた「ラップに戻らない構成はおかしい」という点もしっかりとクリアされていました。最終版は16小節と長めのアリランを採用しつつも、最後はRM、SUGA、J-HOPEのたたみかけるようなラップで完璧にラストを締める構成になっており、まさに全員の意見が見事に融合した着地点だったと言えます。

覚悟を決めたRMの言葉:「恐れ」を乗り越えて

パンPDとの激しい意見のぶつかり合いの後、リーダーであるRMが静かに語った言葉が、この論争のすべてを物語っていました。

「進もうと決めたのに、いざとなると怖気づいてくる」

「『アリラン』をテーマに決めた時点で、僕たちのメッセージは明確でした。だからもう中途半端なことはせずに、突き詰めることにしました」

一部のSNSでは「結局、会社側に押し切られたのでは?」という声もありますが、このRMの言葉を聞けば、それが全くの誤解であることが分かります。彼らは決して「押し付けられた」から長いバージョンを受け入れたわけではありません。

テテが感じていた違和感や、メンバーたちが抱えていた戸惑いの正体。それは「国や伝統を背負うことへの巨大なプレッシャー」であり、「変化に対する恐れ」でもあったとRMは気づいたのです。

その恐れから逃げて安全な「短いサンプリング」にまとめるのではなく、アリランというテーマから真っ向から逃げずに突き詰める。このRMの言葉は、7人全員が心から納得し、覚悟を決めた瞬間の証明でした。その確固たる決意があったからこそ、あの『Body to Body』は単なるK-POPの枠を超え、魂を震わせる名曲へと進化したのだと思います。

まとめ:民主主義的なグループ、BTSの凄み

ドキュメンタリーが映し出したのは、「大人が押し付けた」という単純な構図ではありませんでした。

ミクロな視点で「ファンと音楽の純度」を守ろうとしたテテと、マクロな視点で「世界のスタジアムでの歴史的瞬間」を描いたパンPD。そして、その間で両者の意見を冷静に汲み取りながら落としどころを探ったRMやJ-HOPE。

意見が激しくぶつかり合うのは、全員が本気だからこそ。誰かの意見を無条件に飲むのではなく、全員が納得するまで議論をぶつけ合い、妥協ではなく「最高の芸術」へと昇華させる。これこそが、BTSというグループが10年以上もの間、世界のトップを走り続けられる「凄み」であり、彼らなりの民主主義なのだと深く感動しました。

皆さんは、この『Body to Body』のアリランサンプリング、そしてドキュメンタリーでの彼らの葛藤をどう受け止めましたか?ぜひ、皆さんの率直な感想もコメント欄で教えてくださいね!

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