ミスドの味を家で!失敗しないエンゼルクリーム再現レシピ【製菓科学が解説】

グルメ

「お店で食べるあのエンゼルクリーム、家で作れたら最高なのに…でも、ドーナツ作りって難しそう」。そう感じていませんか?

ご安心ください。実は、いくつかの「科学的なコツ」さえ知れば、初心者でもあの”ふわふわ食感”は再現可能です。

この記事では、単なる手順の紹介ではなく、「なぜそうするのか?」という理由から徹底解説します。この記事が、失敗の原因を根本から取り除き、あなたのドーナツ作りを成功へと導きます。

読み終える頃には、ドーナツ作りへの不安が自信に変わり、次の週末にエンゼルクリームを作りたくてたまらなくなりますよ。


[著者情報]

 

相田 まりこ (Aida Mariko)

製菓科学インストラクター / 再現レシピ研究家

元・大手料理教室の人気講師が、あなたのキッチンをサポートします!お菓子作りの「なぜ?」を科学の視点で解き明かし、誰もが「できた!」を体験できるレシピをお届けします。

 

なぜ?自家製ドーナツが固くなる3つの理由

ドーナツ作り、楽しみですよね。でも、その一方で「生地が膨らまなかったらどうしよう」「揚げたら固くならないかな」という不安な気持ち、とてもよく分かります。

実は私も、この仕事を始める前はカチカチのドーナツを作ってしまい、がっかりした経験が何度もあります。

長年の経験と生徒さんたちの声から、自家製ドーナツが失敗する原因は、ほぼ3つのポイントに集約されることが分かりました。

  1. イーストの温度間違い: レシピにある「ぬるま湯」。この温度が熱すぎたり、逆に冷たすぎたりすると、生地を膨らませる主役であるイースト菌が元気に働けなくなってしまいます。
  2. 発酵不足: 「生地が2倍になるまで」と書かれていても、季節や室温によって発酵時間は変わります。焦って次の工程に進んでしまうと、ふわふわ食感は生まれません。
  3. 揚げ油の温度が低い: ドーナツが油を吸ってベチャッとなる最大の原因が、低い温度の油です。適切な温度で短時間で揚げることが、軽い食感への鍵となります。

この記事を読んでいるあなたは、もう大丈夫。これらの失敗はすべて、理由を知ることで避けられます。一緒に、科学の力で解決していきましょう。

ふわふわ食感の正体は「グルテン」と「酵母の働き」にあった!

さて、ここからは少し科学の時間です。エンゼルクリームのあの独特な「ふわふわ、なのに少しもっちり」とした食感の秘密を解き明かしましょう。

結論から言うと、食感の秘密は強力粉に含まれる「グルテン」と、ドライイーストという「酵母」の共同作業にあります。

パン作りとドーナツ作りは、実は親戚のようなものです。どちらも、強力粉に水分を加えてこねることで、「グルテン」というタンパク質の網目構造が作られます。このグルテンの網が、生地の骨格となるのです。

そして、そこに加わるのがドライイースト。ドライイーストは生きている酵母菌で、生地の糖分を食べて炭酸ガスを発生させます。この炭酸ガスを、先ほど作られたグルテンの網が風船のように優しく包み込むことで、生地はふっくらと膨らみます。

つまり、強力粉とドライイーストの関係性は、頑丈な風船(グルテン)と、その風船を膨らませる空気(炭酸ガス)の関係と言えます。この仕組みが、あの唯一無二の食感を生み出しているのです。

【完全ガイド】科学で失敗知らず!エンゼルクリーム再現ステップ

お待たせしました。ここからは、科学的なポイントを押さえた、失敗しないエンゼルクリームの具体的な作り方をご紹介します。各工程に「なぜそうするのか」という理由も添えていますので、ぜひ確認しながら進めてみてください。

材料(約8個分)

  • 強力粉: 200g
  • 砂糖: 25g
  • 塩: 3g
  • ドライイースト: 3g
  • 卵: 1個 (約50g)
  • 牛乳: 100ml
  • 無塩バター: 25g
  • 揚げ油: 適量
  • [クリーム用]
    • 生クリーム: 150ml
    • 砂糖: 15g

使う道具

  • ボウル、カード(スケッパー)、めん棒、クッキングシート、揚げ物鍋、菜箸

ステップ1: 生地作り

ボウルに強力粉、砂糖、塩、ドライイーストを入れ、軽く混ぜ合わせます。人肌(約40℃)に温めた牛乳と溶き卵を加え、ひとまとまりになるまで混ぜます。台の上に取り出し、バターを加えてなめらかになるまで約10分こねます。

科学のポイント:
ドライイーストは生き物です。熱すぎる牛乳はイーストを弱らせ、冷たすぎると活動が鈍くなります。人肌の温度を守ることが、元気な生地作りの第一歩です。

ステップ2: 一次発酵

生地を丸めてボウルに入れ、ラップをします。オーブンの発酵機能(35℃)などで、生地が2倍の大きさになるまで約40〜60分発酵させます。

科学のポイント:
この発酵工程で、イーストが炭酸ガスを活発に作り出します。生地が乾燥すると表面が固くなり膨らみにくくなるため、ラップで湿度を保つことが重要です。

ステップ3: 成形・二次発酵

ガス抜きをした生地を8等分し、丸めます。濡れ布巾をかけて10分休ませた後(ベンチタイム)、めん棒で丸く伸ばします。10cm四方に切ったクッキングシートに乗せ、乾燥しないように再度ラップをし、一回り大きくなるまで約30分発酵させます(二次発酵)。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 成形した生地は、必ずクッキングシート一枚につき一つ乗せてください。

なぜなら、この二次発酵後の生地は非常にデリケートで、手で直接持つとせっかく膨らんだガスが抜けてしまいがちだからです。クッキングシートごと油に入れることで、形を崩さずに揚げることができます。

ステップ4: 揚げ

鍋に油を入れ、170℃に熱します。クッキングシートごと生地をそっと油に入れ、シートが自然に剥がれたら取り出します。片面がきつね色になったら裏返し、両面で合計2〜3分揚げます。

科学のポイント:
ドーナツ作りの成功は「2つの温度」が9割を占めます。一つは発酵温度、そしてもう一つがこの揚げ油の温度です。170℃という温度は、表面をカリッとさせつつ、油の吸収を最小限に抑え、中まで火を通すための最適な温度なのです。

ステップ5: クリーム注入・仕上げ

ドーナツの粗熱が取れたら、菜箸で側面に穴を開けます。砂糖を加えて固めに泡立てた生クリームを、絞り袋でたっぷりと注入すれば完成です。

📊 比較表: ドーナツ作りのよくある失敗と科学的な対策

発生する問題 主な原因 科学的な対策
生地が膨らまない イーストの失活 or 活動不足 ぬるま湯(40℃前後)を必ず使い、古いイーストは使用しない。
揚げると固くなる 発酵不足 or 揚げすぎ 生地がしっかり2倍になるまで待ち、揚げ時間は2〜3分を目安にする。
油っこくベチャッとする 揚げ油の温度が低い 170℃をキープする。一度にたくさん揚げず、2〜3個ずつ揚げる。
形が崩れる 成形後の生地の扱い クッキングシートごと揚げることで、生地に触れずに投入する。

よくある質問と「揚げない」代替案

ここまでお疲れ様でした。最後に、生徒さんからよくいただく質問と、どうしても揚げることに抵抗がある方への代替案をご紹介します。

Q. 残ったドーナツの保存方法は?
A. クリームを詰める前のドーナツであれば、一つずつラップに包み、冷凍保存が可能です。食べるときに自然解凍し、オーブントースターで軽く温めると美味しくいただけます。

Q. クリームを上手に詰めるコツは?
A. ドーナツに開ける穴は、菜箸を中で少し動かして空洞を広げておくとスムーズです。また、生クリームはしっかりと固めに泡立てる(ツノが立つくらい)と、注入しやすくなります。

どうしても揚げるのが不安なあなたへ:「焼きドーナツ」という選択肢

「揚げ物の後片付けが大変…」「油がはねるのが怖い…」その気持ち、よく分かります。

そんなあなたには、オーブンで仕上げる「焼きドーナツ」という素晴らしい選択肢があります。イーストドーナツと焼きドーナツの関係性は、食感のトレードオフです。焼きドーナツは、揚げドーナツのふわふわ感とは少し異なり、しっとりとしたパンに近い食感に仕上がります。

しかし、ヘルシーで後片付けが簡単な点は大きな魅力です。ステップ3で成形した生地を、190℃に予熱したオーブンで約10〜12分焼くだけで完成します。最初の挑戦として、こちらから試してみるのも全く問題ありません。


まとめ

エンゼルクリーム作りの成功の鍵は、以下の3点でしたね。

  1. ふわふわ食感のために「強力粉」を選ぶこと
  2. 発酵と揚げ、2つの「温度」を正確に守ること
  3. 各工程の「なぜ?」という理由を知ること

もう、あなたはただレシピの指示に従うだけの受け取り手ではありません。理由を理解し、自分の力で応用できる「科学するパティシエ」です。さあ、自信を持って、週末はキッチンに立ってみませんか?

完成したドーナツは、ぜひ「#科学するエンゼルクリーム」でSNSに投稿してくださいね!あなたの「できた!」の報告を、心から楽しみにしています。


[参考文献リスト]

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